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"友達として追加されていないユーザーからのメッセージです"
"友達に追加しますか?"
予備校帰り、メッセージアプリを開くと1番最新のメッセージは見慣れた人物であり見慣れないアイコンからのものだった。
福山翔
けじめとして連絡先を消していた相手だった。
緊急
小杉にストーカー
されている
駅前ファミレス
集合
5行に渡って、簡潔なメッセージ。
親友の昼間の様子を思い出し、焚きつけた責任もあることだし行くと即答したかったが、生憎呼び出した相手が元カレ。
彼氏に一度連絡をとり、許可と「店迎えにいくから絶対俺と帰って!!!」という文面と恐怖のスタンプ連打がきたのでありがとうとだけ返して向かったファミレス。
親友は勇気を握りしめ、無事に長年の男友達の元へ走っていった。
「遅くならないうちに帰んなよ」
いっしょに取り残されたもう2人で会わないだろうと思っていた元カレが現在の関係を踏まえた上で気遣ってくれたが、店内を漂うフーディーな匂いに空腹を我慢できず自ら元カレとファミレス飯をいただくという状況にしてしまう。
7時間授業、部活、予備校1コマ。
部活終わりにおにぎり1個食べたけど、予備校90分でエネルギー消費してしまった。
うん。今日だけは許してほしい。
というか彼氏からは迎えの時までの許可はある。
からん、とお冷が入ったグラスが揺れる。
「この前中学行ったけど、竹本先生が来春女の子のパパになるんだって」
「あいつ、北海道の大学考えてて」
「あの子は関西だって」
「英語が無理」
「英語は単語が基礎。反復」
過去の話。
現在の話。
話題に詰まっても、特に気にならなかった。
"中学の時のあれ覚えてる?"
"進学どの辺り考えてる?"
示し合わせたかのようにお互いの思い出や将来の話題は出なかった。
ちゃんと、リセットできてる。
ずっと溶け行く氷を見つめ、染みた。