彼が途中に何か挟んできたけど、無視。
そう、『中央高校 理数科』なんて、将来を期待されている人が行く場所。私には縁のないところ。
彼の素晴らしき親友の話だと、彼は入学式のときの新入生代表だったらしい。
それは暗に入試トップを示している。
中学時代から学年トップ常連で賢かった。それは私も知っている。
彼の素晴らしき親友の話だと、高校入学後もそれは変わらないらしい。彼の素晴らしき親友の話だとね。
そんな彼、と。自称進学校と名乗る南高校に通う私はこのように学校終わりに駅前で待ち合わせをして夜ごはんを食べることは珍しいことではない。どちらかというと週3で横澤と夜ごはんだ。
「はぁーーー………」
あ、今いやなこと思い出した。ああああ……
無意識のうちに深いため息がこぼれ出る。
「なに、将来に絶望でもしたのかよ」
「違う。まだ17の私が将来に絶望するわけないでしょ」