「なんで、……もう!!!!」

「小杉もこんな顔するんだな~」


あはは、とのんきに笑う横澤を絞め殺してやりたい。

さっきまで今までのように私に主導権あったのに!

横澤からのちょこちょこ来る投球、なかなか打ち返すことができない。

すでにアウト2つとられている。


やり返したい。


……女は度胸だ!!!!



「俊平っ」


慣れない名前呼び、

「え、」


それにうろたえる彼がこっちを向いたのを確認して。


ちゅ、と触れるキス。

………頬に。



「どーーよ!!!この蘭様怒らせたらこれからこんなんだからね!!!?」

「………」


唇が触れた部分を左手で抑えたまま、彼は微動だにしない。

え、なにこれちゃんとやり返せたの?


「よ、よこざわ……??」

「……小杉、本当に俺死なせるつもり?」

「え、」


その瞬間彼の左腕が私の腰元に回ってきて、


「っ、」


一瞬の、触れるだけのキス。


今度は唇に。



「………!!!!!!」


体中の熱が顔に集まってくるのが分かる。


「可愛かったからもっと怒らせてやろ」


そんな風につぶやく彼の顔も、真っ赤で。


「~~~横澤いや!!!」


自然とつながれていた彼の左手と私の右手。

ただ、そっと右手を握り返しておいた。











【私と彼は恋人同士】

Q.さて、男女の友情とやらは成立するものなのだろうか?

A.一度恋愛対象になったら無理ですね
(小杉蘭調べ)