それに次いで彼は、小さく私の耳元でささやいた。



「ずっと一緒にいてよ、小杉」


すとん、と欠けていたピースが嵌るように、その言葉は落ちて、溶けこむ。


「あ、やっぱり横澤のこと好きかもしんない」

「え?」


横澤が同じことを望んでるって。一緒にいてくれるって。

そう思ったら、自分の感情にしっくり気がついたの。




「……好き、です」




濃紺のセーラー服を着た私。

漆黒の学ランを着た彼。

2人は一度、友達へ。



漆黒のセーラー服を着た私。

深いグレーのブレザーを着た彼。

二度目は、最初とは真逆の方向へ。




「バカ小杉」

「んな、」

「俺はずっと好きだった」




彼は私の好きな人。





-END-