ここはグラウンドは広いわりに遊具はブランコと滑り台しかなく、遊びに来る幼児も少なくて中学時代は学校帰りによくサンカク公園に集まって馬鹿なこと、馬鹿な話をたくさんしていた。


今はただ横澤の自主練会場だっていうのは以前、本人から聞いたことがあった。



中学時代。

現在と変わらず、当時も彼は野球部、私は吹奏楽部。


吹奏楽部はパートごとに別れて練習することが多くて、私のフルートパートはいつも2階にある2年生教室で練習していた。――――グラウンドがよく見える教室だった。


夏休みは中学に冷房なんかついてなかったから、いつも窓をあけて練習を重ねていた。


野球部のグラウンド練習と吹奏楽部のパート練習の時間が重なれば、横澤が練習している風景も簡単に覗き見できて。


いつも私と馬鹿なことをやっているときには見ることができない真剣な表情に刺激をもらっていた。

苦手な音階と対面すると、いつも横澤の練習風景を見て触発されていた。