私、自分勝手で、横澤のこと何にも分かってなかったんだなあ。


時間がたって、今、それが鋭く深く、突き刺さる。



「つーかむしろ小杉はもう横澤に会わないほうがいいんじゃね?」


カラン、と氷が鳴る。私のお冷を入れたグラスの音だった。

横澤と会わない?



「いや!!!!!」


気づいたら、声を荒げていた。


「なんで?」

「だって横澤と一緒にいるの、落ち着く、から。横澤ともっと一緒にいたい、から……」



え、え?


自分の口からほろりと落ちたその言葉に、自分でもひどく驚いている。


横澤は友達で、一番の私の理解者で、私も彼の一番の理解者でいたくて。


え?


「え?私、いまなんて言った?」