知っている。

横澤がどんな人かっていうの、その15人の女の子より、私のほうがよく知っている。


だから、彼が女の子に告白されるのも納得できる。応えられないそれに苦しい思いをするくらい心優しい人だっていうのも。


知り合った中1以来、伊達に4年ほど友達やってきたわけじゃない。

その4年、彼はどんな気持ちだったんだろう。

いつも、どんな気持ちで私とごはんを食べに行ってくれていたんだろう。



「蘭は、どうしたいの?」

「え?」


美和の問いかけの真意を聞きなおす。


「別に友達でいたいなら友達でいたいって伝えればいいし。ただ、それを選ぶならしばらくは横澤に時間を与えなきゃいけないよ。蘭はその間、横澤断ちしなきゃ」

「………」



横澤断ち。