「俺はある程度、熊沢と接触のない空白の時間があったから徐々に慣れていったけど、あいつは違うだろ」
“あいつは違う”
そうだ、私、気まずい期間があったことも忘れるくらい横澤と一緒にいる時間が多かった。
放課後だけで考えると、部活を抜きにすれば横澤といた時間が圧倒的に多い。
中学時代も、現在も、だ。
「小杉さ、横澤に“友達に戻るための時間”与えてやった?」
「……覚えてない」
「覚えてないなら、与えてないな。そりゃ、あいつも区切りつけるタイミングを見失うわ」
そうつぶやいた福山はメニューを手に取りながら「腹減ったしハンバーグプレート追加するかなー」と呟く。
さっき私のドリンクバーと一緒に贅沢ミックスプレート頼んでたくせに……