ペースが掴みきれなくて、いつものお調子者な空気にしようとしても、今はどうやっても崩れてしまう。


「だっておまえ、中2のときの横澤の告白は笑って断ったってのに、高2の今はバリバリ動揺してるじゃん」

「は、」

「横澤がおまえのこと本当に吹っ切れて男女の友情だって感じてたらまず週に何度も会わねぇよ。せいぜい2~3か月に1回あれば高頻度だろ」

「……」


昼間の美和と同じ言葉を福山は淡々と並べていく。

やっぱり、私が錯覚していたんだろうか。


「あっ、いた」


目の前に座る福山が軽く右手を挙げたかと思うと後方から聞き慣れた、女の子の声が降ってきた。


振り返ると、私と同じ制服を着ている美和の姿。



「っ、みわぁ……」

「え、蘭!?え!?どうしたの」



思わず立ち上がって美和の方へ駆け寄る。

美和の姿を見るだけで安心して涙が出てくる。



そんな私の姿に美和は福山の方を見てクエスチョンマークが何個も頭上に浮かびそうな疑問の顔をしていた。