場所は変わって。
腹が減ったという福山に連れられて、いつもは横澤と利用するファミレスに入店する。
「それで、告白でもされた?」
「ぶっ、」
ようやく落ち着いてドリンクバーの温かいミルクティーで心を落ち着かせていると、福山が躊躇なく本題を切り出す。
漆黒に赤いラインが入ったジャージを着用した彼はその整った容姿とバックプリントにローマ字で学校名が明記されているせいか、通りがかる女性の視線を一気に集中させている。
「なっ、んで、」
「だって俺、知ってたし。横澤がおまえのこと好きだってこと」
「っ、」
淡々と告げられるこの数年間知らなかった事実にうろたえる。
「でもなー そうかー」
そんな言葉をこぼしながら、彼は笑みを浮かべる。
「な、なによ。私が動揺してる姿を面白がってるの?バカ山!!」