さて、男女の友情とやらは成立するものなのだろうか?
「成立するっしょ」
いきなり素っ頓狂は投げかけをしてきた彼に向かって私はたった今テーブルに届いたティラミスを頬張りながら即答した。
「なんでそう言い切れんの?」
あ、むすっとした。
彼の表情が強張ったのを見逃さなかった。
だって、
「私とあんたがいい例でしょ」
「………」
あ、やばい。やばい。墓穴掘ったかもしんない。
黙った彼。その彼の表情はさっきよりも、怖い。
それに圧倒されて、冷や汗が出る。
「……あのなぁ、」
「あーはいはい、分かった分かった」
少しの沈黙の後に口を開いた彼を見て、早くこの話を流してしまいたくて適当に相槌を打つ。