辺りは中央高の制服であふれている。
そりゃそうだ、ここは中央高の正門前。
中央生、特に女子からチラチラ視線をもらっているのは薄々感じている。
まあ私が南高の制服着ていて、尚且つ福山と一緒にいるから目立つ。
ベビーフェイスに高身長と、整った容姿を持つ福山は中学のときからモテていたから、それは高校でも健在なのだろう。
「え、女の子いるじゃん。しかも南高の子じゃん。彼女?」
福山に声をかけて近寄ってきた爽やかくんが私の存在に気づく。
「いや違う。こいつは横澤の」
平日、他校の制服を着た女子が福山を訪ねてきている状況に抱いても不思議じゃない疑問。
それに対して、彼はやっぱり横澤の名前を使って説明する。
「はあ!?ちょっと誤解を招く言い方しないでよバカ山!」
「あー この子か、噂の子」
反発する私の右側で納得する声が落ちる。
ドキッとした。
うわさのこ。