「いや、彼氏いないから!昨日も否定したけど、前に目撃された横澤は彼氏じゃないって~~」

「えー でもこの前見たとき、彼氏さんとっても大事そうに先輩のこと見ていましたよ?」

「は、」

「あの表情、本当に愛されているんだなぁって羨ましくなりましたもん!」

「っ、」


にこにこと告げる後輩に言葉にドキッとした。


“もし横澤が、まだ蘭のこと好きだったらどうするの?”


数時間前の美和の声がフラッシュバックする。


そんなことない、そんなことない。

それは、きっと、


「それ勘違いだって~ いくらそう見えたって言っても実際横澤は“こいつ相変わらずアホだな”って呆れていただけだと思うし」


そう。勘違い。

違う、絶対。