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「ランラン先輩!?」
部活内で呼ばれているあだ名を受信して、ハッと我に返ったときには私の相棒フルートを教室の床へと手放すところだった。
「うわっとおおおお」
間一髪、ナイスキャッチ。
いかん。かなりボーっとしてた。
古典の記憶もない……のは、まあいつも通り爆睡だったからいつも通りなんだけど。
がたがたと譜面台を片付け始める後輩。窓から覗く暗闇は日が沈んだことを教えてくれる。
え、もう部活おわり?いつも楽しい部活がもうおわり?
「え、もう終わり?」
心の問いは3度目には口に出ていた。
「だってもうすぐ夜の8時ですよ。学校閉まっちゃいます」
嘘でしょう!?