今まで「横澤とごはん行ったー」って話をしても、「今度私も誘ってよ」なんて返答ばかりだったのに。


でも、だからって、なんで、いま。

どうして急に切り込んでくるの。


「どどどどどうしたの急に」


動揺を隠しきれない。


「蘭を甘やかしすぎたかなーって思って」


少し目を伏せて、彼女はついにはペンを置いてしまった。

え、っと?


「蘭さ。今、横澤と会う頻度はどれくらい?」

「え、週に3回は余裕」

「そこ」


彼女は置いたペンの代わりに、「いただきまーす」という言葉と共に私の手の中にあったチョコレート菓子を手にする。


チャンス!


「このお菓子おいしいでしょ」

「うん。で、蘭」


その行動を見て話題を逸らせると思ったが、さすが中学からの大親友はぶれなかった。


「な……なに……?」


美和がいつになく真剣だから、これ以上目を逸らすこともふざけて話題を変えることもできない。いつもだったら簡単にできることなのに。





「もし横澤が、まだ蘭のこと好きだったらどうするの?」