「なーに」

「ううん。ん~………すごいなって思って」

「?」


少し悩んだような声を出したあとの彼女の言葉に、なにが、と問う前に彼女は投下した。


「お互い振った人と振られた人と、今こういう関係を築いているのって」


容赦なく、地雷を。


「っ、え」


え、美和今までずっと黙認だったじゃん。

中2のとき、私が横澤に告白されたことも。

彼を友達以上に見れなかった私がそれを断ったことも。

気まずい期間を乗り越えて、今は友人関係を築いていることも。


全部、包み隠さず話してきたうえで、彼女はいつも「そうかあ」としか相槌を打たなかった。

もちろん彼女も横澤と中学時代の友人という関係性で今もつながりがあるし、気まずくならないように気を遣ってきてくれていたのかもしれない。