「お会計別々でお願いします」
レジを操作する店員にそう伝えて、自分の分を支払う。
「横澤ー!会計!」
「はいはい」
私より早く立ち上がったくせに、のろのろと歩いてきた彼の会計を急かして、私たちは店を出た。
外に出ると辺りは真っ暗で、しかも少し肌寒い。
すっかり日が暮れるのも早くなったし、10月も終わりとなればこういう気温にもなるか。
じゅうがつ……
高校2年の、10月。
「ねぇ、どうする?もう高校生活の半分終わったんだけど」
「どうすると言われても時間は戻せないだろ」
「あーーまた嫌なこと思い出した!来週の土曜、模試だ」
来週、つまりは11月に突入。
うちの自称進学校が模試で休日登校があるのだから、きっと彼の学校もあるのだろう。
たしか全国統一模試だった気がするし。
……考えるのやめ!