「ちょっといい?」


委員会を終えた放課後、部活に行こうとしたところを彼に引き留められる。

私と彼しかいない教室は、いつもの騒がしい教室とはまったく違っていて知らない場所にいるような感覚がした。


「なーにー?」


くるりと彼を振り返ると制服のスカートがふわっと揺れた。

知らない場所にいるような感覚。

そんなだったから、余計に彼の雰囲気もいつも違って見えた。