「着いたよ」

 スマホの時刻表示を見れば、みよしまではブシの歩調に合わせて片道約20分という道のり。

 とりあえず何事もなく目的地に到着できたことに安堵する。ブシが大人しくしていてくれたこともそうだが、ご近所さんに出会うことも声をかけられることもなかった。

「もし、何か欲しいものがあったら遠慮なく教えて」

 スーパーの建物に近づくとボクはブシにそう言った。