マユを見送り、ボクとブシだけが取り残される形になった。
 思い起こせばブシと二人きりになるのは初めてだ。いや、厳密には玄関先で対峙した時のわずかな時間は二人きりだったか。

「さぁ、買い出し行こう。何か食べたいものある?」
「任せる」
「分かった」

 脳内で晩御飯のメニューを再構築する。基本的には変わらない。大根の葉の入った味噌汁。ほうれん草のおひたし。ハンバーグは持ち越しにして、豚汁も止めて豚肉で肉じゃがを作ろうと考えていた。そうなると糸こんにゃくがない。買ってこなければ。