裏面を向けたがやはり無字。仕方無く蓋を開け――糊付けはされていなかったので、すんなりと開いた――中身を出せば、ごく普通の便箋が2つに折り畳まれている。時代劇に出てくるような長い紙を幾重にも折りたたんだものが出てこなくて少しだけホッとした。

 便箋を開けば、誰もが知っているあんぱんの顔をしたキャラクターがうっすらと印刷されているものが使用されていた。

 このキャラクターを見て、少しだけ冷静さが戻った。当たり前のことだが、武士は別に戦国時代や江戸時代から来たわけではないのだ。

 納得と安堵。そして残された疑問。
 答えを探すべく、ボクは便箋に目を落とした。