「嫌じゃ。外には出ぬ」

 必死の抵抗でブシは首を横に振るが、ブシの着ていた作務衣は、ブシの背では届かない高いところに置かれている。

 そうこうしているうちに時間は4時を少し回っていた。やばっ。遅刻しちゃう。マユが慌ててブシの両肩を掴んだ。

 聞いて、ブシコ。マユがしゃがみ、ブシとの視線を合わせる。

「もう私は用事でいなくなるから、ユイと留守番しといてね。晩御飯の材料をスーパーに買いに行かなければならないから、いい子にして、ついていくように」