どう? とマユはポーズを取る。まさにファッション雑誌の表紙のモデルのよう。圧倒されたのかブシでさえ見惚れていた。

「うん、完璧」
「でしょでしょ。私だからね。間違いない」

 根拠のない自信は、マユの無類なきポジティブシンキングから来るものだが、そこが心地よかったりもする。いや、心地よいというより、痛快と言った方がしっくりとくるかもしれない。

 完全武装のマユの涼しげな目が突如、ブシを捉えた。口元に先程浮かべた悪戯っ子のような笑み。

 ――来る。ボクは身構える。その勘に間違いはなかった。

「さぁーって、時間がないからサッサとやろうか」

 空気を察したのか、まずブシが逃げ出した。待ちなさい。ブシを追ってマユが床を蹴った。