「分かった。晩御飯のメニュー考え直すよ」

 今、冷蔵庫にある材料で作ればいいだけの話だ。ブシはマユのように文句は言わない。体裁くらいいくらでも整えられる。だからメニュー変更くらい大したことではないのにどうしてだろう。言葉尻が不躾になってしまう。

「怒らないの。ちゃんと帰ってくるから、ね?」

 マユはボクの肩をポンポンと叩いた。あえてそんなことを言ってくるということは、ひとときとは言え、ブシの面倒をボク一人に押し付けてしまうことへの罪悪感からか。