フルメイクのマユが街を歩けば、いろんな男に度々声をかけられる。写真撮らせてくれない? 芸能界に興味ないかな? そんないかがわしい誘いから、家の店で働かない? 君ならすぐNo.1になれると思うよ、というストレートなものまで。

 それが一々面倒なんだとマユは口を酸っぱくして言っている。
 
 断わり切れずに渋々出席する合コンとは言え、武装はしていくのだろう。急に施させられたネイルも、合コンの為――ということだろうか。

 チクリと胸の奥が傷んだ。気が進まない合コンと言えども、やはり出会いを求めているということか。