「もういいでしょ? そろそろ乾いたんじゃない? 疲れた。疲れたぁよぉ」
 乾くのを待つのに飽きたのだろう。突然、マユが叫び始めた。

「そうだね。そろそろかな」

 近寄ってボクはマユの指先を確認する。大丈夫。マユの指から絆創膏を外す。うまくいった。最後にトップコートを塗る。これを乾かせば終了だ。

「はい。手をパタパタさせて。乾かしたら終わりだから」
「はーい……了解」