「それは……お互い様でしょ」

 マユが憎らしげにボクを見返す。ボクが着ているのは、黒地で、やはり胸の真ん中に"電光石火"と漢字で書かれているものだ。

「あ、やっぱりこれってマユのだったんだ」

 とぼけてやった。何が電光石火なのかは分からないが、度々、マユが着ているのをボクは目撃していた。あまりに悔しかったから、反撃にボクはマユのものを着てやった。ただそれだけ。