でもボクもバカじゃない。下手に忠告して生活を困窮してもかなわないので、取り立てて父には何でも言わないでいる。

 そんなこんなで、ブシの服などの必要経費はボクが――正確には父の懐から――出している。

「あのさ……」

 洗濯ものを畳みながら、マユを見る。

「何?」
「勝手に人のTシャツ着ないでくれるかな?」