未だマユが手首より先をパタパタさせている間に、ボクは洗濯ものを畳み始めた。

 少しずつブシのものが増えていた。下着もそうだし、作務衣も替えが二着。私服にいたってはたくさん。どれもマユが買ってきてくれたものだ。

 ボク自身はバイトをしていない"しがない大学生"の身分ではあるが、父親がどうみても多過ぎる生活費を置いていってくれているので金銭的には困っていない。

 ボクの小さい頃より、生活面のサポートをノリコさんに頼みっぱなしだったから、父はきっと日本の物価がよく分かっていないのだ。