大丈夫。ブシは本当にいい子だから。そうはっきり断言すると、マユはムキになってブシに近寄る。そんなことなよね? 私と一緒にいないと寂しくて泣いちゃうよね? 

 無理やりに抱きしめられ、困惑したブシの顔を何度見たことだろう。

 はっきり分かったことは、何を言ったところでマユはブシの横を離れない。

「ねぇ、ユイ、まだぁ?」

 大方の皿をしまい終わった頃、待ちくたびれたマユが声をかけてきた。ご丁寧にずっと両手首から先をブルブルと振り続けている。

「ちょっと待って。状態を見るから」

 マユの手のひらを持ち、ネイルカラーの乾き具合を確認する。大丈夫。そう判断し、次の工程に進む。