でも――ブシを見ていても、別に障害なんて感じない。ブシは聡いのだ。手伝いは率先してやってくれるし、飲み込みも早い。今や、こちらが料理を始めると、料理の種類を判断して、既に皿やら調味料やらが用意されていたりする。

 はっきりと断言できるのは、マユの100倍は役に立つということだ。ブシの面倒を見るという建前で、マユはボクの家に居座ってはいるが、ボクとブシでマユの面倒を見ているような気にさえなってくる。

 もう家に帰ったら、と何度口にしたことだろう。その時だけはマユは一丁前に大人面をする。ブシコは私に懐いてるから、私がいないとメソメソ泣いちゃうかもしれないよ。