まず、はっきりしたのは、手紙に書かれていることは概ね事実だということだ。

 父親が見ようと録り貯めておいたものの、忙しくて放置されていた時代劇を再生すれば、確かにブシは大人しく画面に食い入るようにして見ている。もちろん一度だけではない。繰り返しても嫌がることもなく、むしろ最近の日課の一部にもなっているくらいだ。

 食事もそう。和食が続いているが、マユのようにあれが食べたいこれが食べたいと駄々をこねることもなく、喜んで食べてくれている。

 手紙の中には軽い知的障害というフレーズがあったが、これは正直分からない。そういう子と接したことがないから、ボク自身、判断材料を持ち合わせていないからだ。