マユを放置している間に、ブシの横に立ち、洗ってくれた皿を拭く。

「ブシ、ありがと。一人でやらせてごめん」
「案ずるな」
「うん、助かる」

 ブシを預かるようになって一週間が経過していた。
 
 ブシの母親からのコンタクトは一切なく、ブシ自身、何も語らないものだから、ブシの名前も年齢も一切不明のままだ。従ってブシと出会った時と手にしている情報はさして変わらない。

 が――だてに一週間、一緒に暮らしてきたわけじゃない。