「ね? 早く早く」
「分かった。 ……分かったから!!」

 かくしてブシが洗い物をしてくれている間に、マユの指にネイルを施すことになったのだが、ネイルをしろと依頼してくるわりに、所々、爪の先端が欠けているというのはどういうことだろう。気持ち悪くないのだろうか。

 本当は甘皮の処理もした方がより綺麗に見えるようになるのだが、そこまで面倒はみていられない。

 このようにケチをつけてばかりだが、実際、マユの指は何度見ても綺麗だ。指が細くて長い。極めつけに爪の形がいい。だからネイルのし甲斐もあり、施しているボクの方も実は楽しかったりする。