ボクはマユと華の間に座った。晶子がカメラに走り寄り、タイマーをしかけて、戻ってくる。

「はい、チーズ」

 皆、笑顔のまま固まる。記念撮影とはどうしてかくもぎこちないものなんだろう。そしてこそばいものなんだろう。

 やがてシャッター音がして、皆、その呪縛から解放される。

 そういえば、ボクは家族写真というものを一枚も撮ったことがないという事実を今更ながら思い出した。

 母親のいない父親と息子だけの写真は、味気ないと思ったのか、単に写真を取られることが嫌いだったのか、頑なに父は写真を撮ろうとしなかった。

 これが一番最初の家族写真だ。

 ならば――この写真は麻美の写真の隣に飾ろう。

 ボクは既にそう決めていた。

 完