麻美と晶子、親子二代で続いたシングルマザーという負のスパイラル。二度あることは三度あるではなく、三度目の正直で断ち切ってほしい。

 この先、華も恋愛する時期が来るだろう。その時、新しい家族をお腹に宿したとしても、どうかその子を自分の子供とは言えず、俳優として手元に置くようなことはしないで欲しい。ボクや華のように、諦めること、割り切ることに慣れてしまう子供を増やすことになってしまうから。

 不意にマユが立ち上がり、キッチンに向かってきた。

「そんなところで突っ立ってないで、ユイもこっち来なよ」

 お茶の準備をしている途中だ。一瞬、何のことな分からないまま、マユに手を引かれた。

 どうやら集合写真を撮るつもりらしい。

 知らない間にカメラが三脚で立てられていて、ようやく合点がいった。