晶子がソファに座り、晶子の隣には華が陣取る。空気を読まず、マユは華の隣に体をねじ込んだ。

 リビングには麻美の写真も飾られるようになった。健吾がネガから何もかも処分してしまっていた。だからこの写真は、つい先日、晶子から贈られてきたものだ。

 撮影の合間のプライベートフォト。イスに座り、麻美はカメラを向いている。

 華より少し上くらいの年の頃、撮影についていった晶子が撮った一枚。私、フォトグラファーになろうかと思ってたの。胸を張ってそう言うだけのことはあって、レンズの向こうの麻美はとても安らいだ顔をしていた。