「ブシコぉ」

 ボクの背後にいたマユが叫び、華に向かっ両手を広げた。意図を察したのだろう。華がその胸に飛び込んだ。

「会いたかったぞぉ。マユたんだよぉ。殿はいらないからね」

 まだそのネタを引きずるのかと心の中で一人突っ込む。

「ブシコはもういいよぉ。華だよぉ」
「私の中ではずっとブシコなの」

 永遠のブシコ、18歳。そんな訳の分からないキャッチフレーズのようなものをマユは口にする。

「まだ18になってないしぃ。意味分かんないしぃ」

 そう言いながらも華も楽しそうだ。キャッキャキャッキャとかしましい。