「おはようでござる、マユタン殿」
「もぉ。マユタン殿じゃなくてマユタンでしょ」

 いつもいつもこの繰り返し。

 始めてボクの家のリビングにブシを上げた時から、このやり取りは始まっている。ソファに座らせてすぐ、マユはブシに自己紹介を始めたのだ。

「初めまして、マユタンって呼んでね」
「宜しくでござる、マユタン……殿」
「殿はいらないからね? マユタンだよ」