そして晶子にボクたちに見せるための手紙を書かせたのだ。

 同じ事務所の人間に見られたら筆跡でバレてしまうため、華に当てた毎日のちょっとした手紙には、母の文字は書いていない。華は晶子からの手紙をリュックに入れると聞かず、万が一、手紙を落とした時に厄介になり得るため、ボクに見せる手紙にも母という文字は書かないことにした。

 極めつけに"知的障害"の文言。華がはぐらかしたり、無視をしても、最終的にはごまかすことがてきるも期待してのことだ。

 ボクは訝しがるだろうが、マユに押し切られることは計算済みだった。