「ユイちゃんを産んでから半年は経っていなかったと思う」

 この頃になるとエキストラの仕事もほとんどなくなり、麻美の女優への熱意はほとんど消えていた。嫌でも夢を追うことができなくなる。健吾のそんな言葉を思い出し、なるほどこういうことかと納得もした。

「もう女優は辞めようと思うの」

 麻美はそう健吾に話を切り出した。

「別に無理に辞める必要はないよ」

 健吾は二人目の子供が生まれ、そのことを意識しているのだと思っていた。