ノリコさんに対峙したまま、ボクはある推論を作り上げていた。

 ノリコさんはブシをさらいたかった。そんな時、ブシのは母親からブシを預かる依頼が来た。しかし、そのままノリコさんがブシをさらってしまえば、ノリコさんに疑いがかかる。

 だから、まずボクとマユに面倒を見させることにした。ノリコさん自身、仕事をしているから常にブシを監視はできない。ボクたちを利用したのは、その補完をするという意味合いもあったかもしれない。

 そして、あの若い男女を雇い――いや、雇うというより弱みを握って協力せざる得ないようにして、ブシをさらおうとした。