ボクの位置からは死角になっているから、画面の表示自体は確認できない。もしかしたらマユだろうか。そんなことを考えていると、ノリコさんがボクの方を向いた。

「通販で頼んでおいた品が届いたみたい。受け取ってきてもいいかな?」
「どうぞ」

 ボクはうなずいた。

 ごめんね。すぐ戻ってくるから。

 パタパタとスリッパを鳴らし、リビングを出て、玄関に向かうノリコさんの背中を眺めながらボクは今一度、ほうじ茶を喉に流し込んだ。

 玄関先から一言二言やり取りする声は聞こえていた。もちろんそんなに大きな声で会話をしているわけじゃないから、内容自体は聞き取れない。

 やがてノリコさんが戻ってくる足音がして、ボクはノリコさんの到着を待った。