ボクよりもずっとずっとマユはブシのことを可愛がっていたから尚更だ。だからこそ、1秒でも早くブシの安否を確認して、マユに知らせてあげたい。

「そう……あの子、猪突猛進だからね。一つのことにのめり込むと他が見えなくなるし」
「マユのことはいいから、質問に答えてくれるかな?」

 未だかつてここまでノリコさんにイライラしたことはなかった。

 その時、インターフォンが鳴った。

「ごめん。ちょっと待ってね」

 ノリコさんが画面を確認しに行く。