ノリコさんはボクの家の状況を熟知している。加え、マユは分かりやすい性格だ。ブシに会わせさえすれば、預かると言い出すことくらいボクにだって確信が持てる。

 そして――ボクはマユの申し出は断らない。そんな主従関係にも似たボクとマユの関係をノリコさんも当然、分かっている。

 蓋を開ければとてつもなく簡単な等式だった。笑ってしまうくらいに。

 ボクたちは最初からノリコさんの手のひらの上で転がされていたというわけだ。