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 走るマユの背中を見送り、家の鍵だけ施錠して、ボクは自転車にまたがった。

 気持ちばっかりが急いて、今日ほどペダルを重く感じた日はなかった。こいでもこいでも前に進んだ気がしないのだ。

 まずはブシと歩いたスーパー方面へと進む。この方向しかブシと歩いたことがない。自然とこちらに足が向くのではないかというのはボクの勘だ。

 道すがらブシらしき少女の姿は見つけられなかった。スーパーに留まってる可能性は低いと判断し、先のショッピングモールへ向かう。