マユの目の前にボクは立った。背の高さはほとんど変わらない。目と目が合う。メイクされたマユの目は本当に綺麗だ。その目がボクから逸れた。負けず嫌いのマユが――だ。

「それだけ? 違うよね?」

 目は口ほどに物を言う。その典型。

 大したことないことはベラベラ話すのに、ボクが本当に聞きたいことをマユはいつも話さない。彼氏のこともそうだし、マユがボクのことをどう思っているのかだってそう。