「どうだった?」

 基本的にボクはマユのことなら何でも知りたい。もちろん現実はそんなに簡単ではない。マユと過ごした時間は人よりも長いと自負しているけれど、それでも知らないことは意外と多い。

 例えば――マユの恋愛のこと。中学までは同じ学校だったから何となく分かる。ボクの勘違いじゃなければ、マユは2人の男子と付き合っている。一人は一つ年上の先輩。バスケ部のキャプテン。もう一人はクラスメイト。一転して、どちらかいえば無口で大人しい眼鏡男子だった。
 高校からは別々になってしまったから、マユの男性遍歴をボクは全く知らされていない。

 実はマユと会う時期はムラがあるのだ。毎日のようにボクの家にやって来ては、やれお腹が空いただの、やれネイルをして欲しいだのと言ってくる時期もあれば、1ヶ月、全く音信不通の時もある。