ブシはリビングのソファで横になったまま、かすかな寝息を立てていた。かけたタオルケットが落ちないかと心配もしたが、よほど深い眠りについているのだろう。身動き一つしないので、手持ち無沙汰になってボーッとブシの横で座っていた。

 マユが病院から帰ってきたのは暗くなってからのことだ。少し前にスマホにメールがあったから分かっていた。もう少しで帰宅するよ。