だから手紙の詰まったリュックを常に自分の脇に置き、もしくは背負い、守護神《カーディアン》よろしく肌見離さず守り続けてきた。

 ブシにとって、誰の目にも触れさせたくなかった母親からの手紙を地面に放り出すのには、どれほどの勇気がいったことだろう。

 マユを守るため――マユを守るにはこれしか方法がないと判断して、ブシはリュックの底にあった警棒を取り出すため、リュックを逆さにした。

 間一髪でマユを助けられたのは全てブシのおかげだ。

 それだけに理由が知りたった。ブシがどうして狙われているのかを。